センテナリンアン(百寿者)から学ぶ
NHKスペシャルより
健康長寿であるために・・・
2021年9月の調査時点で100歳以上の高齢者は約8万7千人と過去最高を51年連続で更新したそうです。
ただ長生きするだけではなく
「健康で」長生きするためにはどのように過ごせばよいのでしょうか?
いま、世界各国でその研究が進められています。
そこで、今注目されているのは身体に起こる「炎症」です。
健康長寿には「炎症」を抑えることがカギ!!
健康長寿の方と一般高齢者とでは何が異なるのかを様々な調査を行った結果、
「炎症」の度合いに違いあることがわかってきました。
炎症には急性炎症と慢性炎症があり
急性炎症は、けがなどによるもので一時的なも、一定期間で治癒するものです。
一方、
慢性炎症は、細胞老化や加齢によるもので、免疫応答による弱い全身の炎症で自覚症状はありません。
加齢とともに必然的に起こりうるものです。
その慢性炎症の度合いが、あるセンテナリンアン(100歳を超える健康長寿の方)は一般高齢者に比べて、
10分の1と圧倒的に少なかったのです。
健康長寿に誰でもなれる!?
健康で長生きできるのは、遺伝的要因が大きいと思われる方もいらっしゃると思います。
ももちろん、それも関係しますが、
環境的要因の方がはるかに大きく、4分の3を占めることがわかってきました。
つまり、健康長寿の方が実践されていることを同じように行えば、だれでも健康長寿に近づけるという事なのです。
では、その環境的要因の中で大切なこととはなんでしょうか?
それは、
① 食事
② 運動 そして、
③ こころの持ちよう
の3つが重要であることがわかってきました。
今回はその中の「食事」について注目します。
長寿のための食事とは?
世界には長寿ホットスポットと呼ばれる地域が何か所もあります。
そこでどんなものが食べられているかという研究が盛んにおこなわれています。
例えば、
イタリア南部のアッチャローリという村は
人口2000人の内、300人がセンテナリアン(100歳以上)と言われています。
そこでは、いわゆる「地中海食」の発祥の地と呼ばれており
魚、オリーブオイル、ナッツ、野菜を中心とした食事で、これらに含まれる
オメガ3脂肪酸
ポリフェノール
リコピン
等の炎症を抑える成分が影響を与えていると考えられています。
また、
中国南西部貴州省にある中国屈指の健康長寿の村があります。
そこでは、大豆やトウモロコシを主食にし、自生する山菜を煮込んで食べ、お茶を大量に飲むという食生活でした。
国や地域によって独特の長寿料理がありますが、例えば、人種や遺伝子、性別、ライフスタイルの異なる人々が、
これらと同じ食事をしたとしてもその効果には違いが現れます。
必ずしも効果的とは言えないことがあるのです。
つまり、住んでいる地域、人種、食習慣によって腸内細菌も異なりそれぞれに合った長寿のための食事を摂ることが重要なようです。
日本人にとっての長寿食
では、私たち日本人は健康長寿のために
どんな食事を摂ればよいのでしょうか?
やはりそれは、昔から慣れ親しんだ日本食が一番合うのではないかと考えられます。
所謂、一汁三菜(汁物、主菜1点、副菜2点)
味噌汁、主菜(魚など)、副菜(ひじきの煮物や野菜など)です。
魚にはオメガ3脂肪酸であるEPA/DHAが含まれ、魚油を摂取するとベニバナ油に比較して約40%慢性炎症指数が低下するという研究結果が出ています。
同様に、ひじきの煮物に含まれる大豆やニンジン、 海藻などには良質なたんばく質やポリフェノールが、また、発酵食品である味噌汁にも同様に炎症を抑える成分が多く含まれています。
ただ、ここで注意したいのは
ひとつの食材、1つの成分だけで全てをまかなえるものは存在しません。
バランスよくたべる。そして、自分の身体にとって本当によいものなのかどうかを自分の身体によく聞いて食事をすることが大切です。
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